医師紹介
我が国は世界にも類を見ない超高齢社会を迎えています。内閣府高齢社会白書によれば、2020年の高齢化率(65歳以上の高齢者の人口に対する割合)は28.9%であり、団塊の世代の高齢者が全て75歳以上の後期高齢者となる2025年には高齢化率は30%に達するとされています。高齢者が増えることによって加齢性難聴をはじめとする「聞こえ」の問題を有する難聴者が増加することは当然のことであり、今後、何らかの医学的介入が必要となる65歳以上の高齢者の難聴者は1,500万人以上になると推計されています。また、世界的にも難聴者の増加が危惧されており、WHOは2018年に4.66億人であった難聴者が2030年に6.3億人、2050年には9.0億人に急増するとして難聴対策が喫緊の課題になっていると指摘しています。
このような状況の中で、難聴だけではなく、耳鳴りなどを含めた聴覚障害の治療・予防を目指す拠点として「オトクリニック東京」を開設することにいたしました。これまで、慶應義塾大学医学部耳鼻咽喉科を中心に大学・アカデミアの立場で聴覚障害と、それに関連するコミュニケーション障害の解明、そして広く耳の病気の病態解明と新しい治療法・予防法の確立についての多くの研究成果を発信してきましたが、慶應義塾大学教授退任を機に引き続き臨床の現場で、これらの問題をさらに追究し、解決したいという思いから、聴覚障害に特化したクリニック開設となりました。
聴覚障害の多くは未だ特効的治療法がない領域ですが、聴覚障害に介入する手段は少なくありませんので、現時点での最良の解決策をご相談しながら皆様と一緒に聴覚障害を克服していきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

慶應義塾大学名誉教授
院長 小川 郁(おがわ かおる)
経歴
- 1975年
- 慶応義塾大学医学部入学
- 1981年
- 慶応義塾大学医学部卒業
- 1983年
- 慶応義塾大学医学部耳鼻咽喉科助手
- 1983年
- 静岡赤十字病院耳鼻咽喉科医局員
- 1991年
- ミシガン大学クレスギ聴覚研究所研究員
- 1995年
- 東京電力病院耳鼻咽喉科副科長
- 1995年
- 慶応義塾大学医学部耳鼻咽喉科 専任講師
- 2002年
- 慶応義塾大学医学部耳鼻咽喉科 教授
- 2014年
- 慶応義塾大学医学部学部長補佐(教育担当)
- 2017年
- 慶応医師会会長
- 2021年
- 慶応義塾大学 名誉教授
- 2021年
- オトクリニック東京 院長
- 2022年
- 公益法人 国際耳鼻咽喉科振興会 副理事長
学会役職
- 日本耳鼻咽喉科学会 参与
- 日本耳科学会 顧問
- 日本気管食道科学会 顧問
- 日本聴覚医学会 名誉会員・参与
- 国際耳鼻咽喉科振興会 副理事長
委員会役職
- 厚生労働省 患者申出療養評価会議技術専門員
- 厚生労働省 指定難病検討委員
- 厚生労働省 医道審議会専門委員
- 厚生労働省 先進医療会議技術専門委員
- 独立行政法人医薬品医療機器総合機構 專門委員
専門医
- 日本耳鼻咽喉科学会専門医
- 日本気管食道科学会専門医
- 補聴器適合判定医
- 補聴器相談医